
既に答えは出ているような話ですが、最近の車は「燃費重視」が売れているようです。2008年の春にGMはSUVとトラックの工場を4箇所閉鎖しました。これで失われるGMの売り上げは$4.4Billionだそうです。 つまり、工場一つにつき$1.1Billionの規模になります。一台を$20,000と見積もれば、一工場につき5万台の生産能力です。Fordも同四半期に四万台の減産を発表してます。先ほどの数字でみれば、これは一つの工場の丸一年分の減産になります。 減産して空いた生産能力を今後は小型車の製造に当てていくとの計画ではあったそうですが、不景気の波は大きく、GMは工場閉鎖から一年後に倒産となりました。トヨタとの合併も見送られたようです。
私は「かなり燃費重視な男」を自負しております。高速道路は60マイル前後で走り、急アクセルは踏まず、100度近い夏の日も窓を開けて走ってます。そんな私の前に先日初耳な言葉が舞い降りてきました。それは「冬のガソリン」というものです。 これは韓国のドラマのタイトルではなく、実際にアメリカ国内でもう何年も存在しているのです。
これはClean Air Actという規制に基づき、冬場のガソリン製品にOxygenated Fuel(酸素物質を含む燃料)を義務付けています。 州によって、この規制の適応や対応は異なりますが、カリフォルニアの場合はCalifornia Clean Air Actと呼ばれており、「CCAA」と検索すれば詳しい内容がでてきます。
“冬のガソリンは夏のガソリンよりもパワーが弱い?!”

仕事柄、年末が一番忙しい時期でして、一番車を走らせる時期でもあります。
なのに、「冬のガソリンは夏のガソリンよりもパワーが弱い」という調査結果に行き着きました。一番車を走らせる時期で、水産冷凍品が多く車に乗ってるので暖房すら入れないで、手を凍えさせても懸命に働いている時期が一番パワーのない時期だとは…。
では冬のガソリンと夏のガソリンで何がどれほど違うのでしょうか?これが一番知りたいところです。第一に「脳密度が低い」ことにより、エンジンが生み出す力が落ちます。よって、第二の弊害が「燃費の減少」になります。 パワーが弱いから普段通り走るには、もっと燃料が必要となるわけです。これは困りました。では具体的にどれほどパワーが落ちるのでしょうか?資料によれば、「最大で4%の差が夏と冬のガソリンに出る」ということで、4%を金額にしてみましょう。 $4.00のガソリンであれば=>$4.16になります。満タン15ガロンですと、$2.40の損失となります。この差はちょっとした高いガススタと安いガススタの値段の差以上ですね。
ではいつからが「冬のガソリン」なのでしょうか? 資料によりますと、冬の酸素化燃料プログラムがロスアンゼルスで始まるのは11月1日から翌年の2月28日(もしくは29日)までです。含有量は1.8〜2.2%になります。 他の都市と比べますと、LAの場合、期間も1月ほど短く、含有量も1%以上は平均より少ないです。LAで暮す限り、他の町ほどに影響は大きくないようです。しかし、それでも2%の差は確実にあるわけですね。
では、この「酸素化燃料」とは一体何なのでしょうか? 要はアルコール燃料のことで、6種類のアルコール燃料がClean Air Actでは認められてます。このプログラムにおけるアルコール燃料は?と調べました。
この「酸素化燃料」は実のところ100%エタノールということです。つまり、普段は約10%の含有量のところを冬場だけ12%の含有量に変えているだけ?!なのに、それをわざわざ「Winter Oxygenated Fuel Program」などと名づけては我々を煙に巻いているのでしょう。
エタノール、つまりアルコール燃料なのですが、最も身近な例がインディーカーレース(Indy Car Racing)で使用される燃料ですね。従来はメタノール(別名:メチルアルコール)が使われていましたが、2007年からエタノールへと切り替わりました。 98%エタノールに2%の通常ガソリンの混合だそうです。レースで使用することで、「エタノール燃料だとエンジンが壊れる」という巷の噂を否定しようというプロモーションの一環だそうです。
エタノールは元々工業用と飲料用の用途で使われてましたが、1970年代からガソリンへ混ぜるオクチューン強化剤としての使用が広まりました。エタノールをガソリンに入れるとパワーが上がるのではなく、パワーを落とさずにガソリンの量を増やす目的です。 その後80年代後半に入りClean Air Programが導入され、空気中のCOレベルを落とす手段として注目を集めていきます。
エタノールの話がよく出ますね。トウモロコシから石油に代わる燃料を作るという話ですが、ではロサンゼルスではどこで買えるのでしょうか。それとも既に通常のガソリンの中に混ざっているのでしょうか? ハリウッドスターの州知事がうるさく環境に働きかけているカリフォルニア州ですから、きっとたくさんのガスステーションがこのエタノールを販売しているのでしょう。
調べました。既に全てのガソリンには幾らかのエタノールが混ざっている模様で、これらを「E10」と呼び、「エタノールが10%未満含まれるガソリン」を指します。ガスステーションのポンプの表示に目をやってください。「E10」のサインがあるはずです。
では「Clean Gas」だとか「エタノール燃料」と騒がれているガソリンは?と言いますと、「E85」と呼ばれ、85%以上エタノールを含有する燃料を指します。全米にはおよそ1200店のE85を取り扱うガスステーションが存在します。で、カリフォルニア州では?と調べたら、なんと約30軒。 ロスアンゼルスではUCLAの近くに1つ、南El Monte, Sun Valley, & Mission Viejoだけ。エコを訴えているカリフォルニアの州知事は何に予算を使っているのでしょうか?! 下の表は2008年の時点でのBio-Fuelガスステーションの分布図です。去年の時点ではカリフォルニア州は全米でもバイオ燃料発展途上であることが見て取れます。

下の表は一日の石油消費量のチャートです。単位はバレルになってます。アメリカが圧倒的に石油を消費しているのが分かります。アメリカの消費量は世界の約4割を占めます。これだけ石油に依存した国家としてアメリカがあり、その土壌に運営されてきたアメリカ自動車産業とは如何なるものかが、この数字を見るだけで理解することができます。
| 1 | United States | 20,730,000 |
| 2 | China | 6,534,000 |
| 3 | Japan | 5,578,000 |
| 4 | Germany | 2,650,000 |
| 5 | Russia | 2,500,000 |
| 6 | India | 2,450,000 |
| 7 | Canada | 2,294,000 |
| 8 | Korea, South | 2,149,000 |
| 9 | Brazil | 2,100,000 |
| 10 | France | 1,970,000 |
(単位:バレル/日)
これだけ石油消費国であるアメリカがエタノール燃料へ移行を始めたり、ハイブリッド車や小型車への転換を図ったりなど進めれば、やがて世界は大きな転換期を迎えることとなるでしょう。 アメリカが産み出す次世代の車社会が世界中を影響しやがて変わることは間違いなく予測できることです。新しい車社会が息吹を始めたことにあなたも気付きだした頃かもしれませんね。
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